交付金の活動事例
集落協定の広域化による農作業の共同化や事務負担の軽減
(深川市 音江中央集落協定)
- 共同機械等を活用し、農作業を共 同で行う体制を整備した。また、集落 を統合したことで役員の人数を増や し、役割を細分化したことにより、事務負担の軽減を図った。
面積 | 251.0ha(田) 18.9ha(畑) |
交付金額 | 3,386万円 |
協定参加者 | 農業者34人、農地所有適格法人3法人、その他法人1法人 |
協定開始 | 平成12年度 |
地域の現状
- 高齢化や後継者不足により協定参加者が減 少しており、農業生産活動の維持について危惧していた。
- 役員の事務負担が多く、業務の改善が課題となっていた。
取組の概要
- 近隣集落と統合することで、共同利用機械の活用を推進し、地区内の農地の保全や集落維持のための体制を整備した。
- 本制度を活用し、トラクター等の共同機械を購入し、高齢化により農作業が困難となった構成員の農作業受託(耕起作業、防除)を行った。
- 認定農業者を中心に農地を集積し、地域内の水路・農道や圃場の整備を行い、耕作放棄地の発生防止に努めた。
- 多面的機能支払交付金の活動組織と連携し、農用地保全(法面の定期点検、除草の実施)や水路・農道の管理作業(水路の泥上げ、農道の草刈り)を実施した。
集落機能強化加算取組事例/地域が一体となった担い手対策「農活チャレンジ応援事業」で町に活力を
(広尾町 広尾集落協定)
- 担い手不足に行政や集落協定、関係機関が協力して対策を実施する体制を構築
- 「広尾町農活チャレンジ応援事業」を創設し、就農体験・受入プログラムを作成
地域の概要
北海道十勝地方の最南端に位置する、農林水産業が基幹産業の町。農業は酪農主体で乳牛1万1千頭を飼養。
主要作物
酪農、畜産、てん菜
広尾集落協定の概要(令和3年)
面積 | 3,600ha(草地) |
交付金額 | 5,600万円(個人配分22%、共同取組活動78%) |
構成員 | 農業者101人(うち農業法人28法人) |
協定開始 | 平成12年度 |
集落の課題
担い手対策体制の未整備
- 高齢化、後継者不在に加え、新型コロナウィルス感染拡大が労働力不足に拍車
- 外部からの人材受入にあたり、関係機関一体となった体制が未整備
- 体験・研修受入の体系化されたプログラムがない
取組内容
受入体制の構築と農活チャレンジ応援事業の創設
- 町内の関係機関が一体となって農業体験希望者等、外部人材を受け入れる体制を構築
- 研修受入のため農活チャレンジ応援事業を創設し、段階に応じた受入プログラムを作成
- 宿泊可能な研修施設を整備(町予算)
- 令和6年までに延べ50名の受入を目指す
取組の成果
体験参加者延べ26名
- 令和3年8月から農業体験の受入を開始し、大学生を中心に初年度目は16名が参加
- 令和4年は、リピーターも含め10名が参加(10月現在)
- これまで関心のなかった農家も受入に協力
受入プログラム
ステップ1 | 【体験研修】1日~1ヶ月 |
ステップ2 | 【実践研修】3ヶ月~1年 |
ステップ3 | 【就農研修】2年以内 |
生産性向上加算取組事例/リモートセンシング技術活用で「雨竜町産米」を高品質の「うりゅう米」に転換
(雨竜町 新生集落協定)
- ドローン搭載のカメラでほ場を撮影し、各ほ場の生育状況を見える化
- 可視化された情報を活用し、精密農業の実践によるブランド米生産の取組を拡大
地域の概要
北海道の北西部に位置し暑寒別岳の影響で冬は寒冷で積雪が多く、夏は比較的温暖な稲作主体の農業地域。
主要作物
水稲、メロン、そば
新生集落協定の概要(令和3年)
面積 | 59ha(田) |
交付金額 | 700万円(個人配分67%、共同取組活動33%) |
構成員 | 農業者15人(うち農業法人2) |
協定開始 | 平成12年度 |
集落の課題
高齢化と農村活力低下
- 協定参加者の平均年齢は47歳となり、将来の農地維持に不安を抱える
- 基幹産業である農業の省力化や農業所得の確保等、農業生産体制の強化が必要
- 高収入が見込めるブランド米「うりゅう米」生産の伸び悩み
取組内容
リモートセンシング技術でほ場を見える化
- ドローンにカメラを搭載し各ほ場を撮影
- 画像解析により、生育状況を詳細に把握
- 解析結果を生産者へ配布し、施肥設計等のほ場管理に活用
高品質ブランド米「うりゅう米」の生産拡大
- 農薬や施肥量の基準が厳しく、これまで取組が難しかった生産者も、ほ場の見える化で栽培管理を容易にし「うりゅう米」の面積30haを目指す
取組の成果
より詳細な施肥設計が可能に
- ほ場内で施肥が必要な箇所が可視化され、より詳細な施肥設計が可能に
- 施肥量の減少につながり「うりゅう米」の生産へシフト
「うりゅう米」作付面積の増加
- 「うりゅう米」の作付面積を令和2年(取組前)の10.8haから令和4年には25.8haへ拡大